2025年2月に読んだ10冊の本をおすすめ順に紹介します。
8番目くらいまでは全部読んでよかった!と思えるものでしたので
並べるのもおこがましいな…と思いつつ。。
今回は小説が多めです。
- 【1】青木世界観 / 青木 宣親・尾崎 世界観
- 【2】スピノザの診察室 / 夏川 草介
- 【3】夜と霧 新版 / ヴィクトール・E・フランクル
- 【4】成瀬は信じた道をいく / 宮島 未奈
- 【5】神様と暮らす12ヶ月 / 桃虚
- 【6】ロンドンの片隅で、この世界のモヤモヤに日々クエスチョンしているよ。 / クラーク志織
- 【7】スタンフォード・オンラインハイスクール校長が教える 子どもの「考える力を伸ばす」教科書 / 星 友啓
- 【8】ミドルノート / 朝比奈 あすか
- 【9】ケーキ食べてジム行って映画観れば元気になれるって思ってた / メンタルドクターSidow
- 【10】フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養 / 岩竹美加子
- まとめ
【1】青木世界観 / 青木 宣親・尾崎 世界観
スワローズが好きなので、こちらを1番に持ってきました。
昨年プロ野球を引退した青木 宣親さんの考え方がつまった一冊です。
表舞台で華やかに活躍してきたプロ野球選手の根性論みたいなのかな~
と思って発売当初はすぐに手を出さなかったのですが…
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社会人の1人としてこの本に出合えてよかった
そう思える一冊でした。
『考える』ことの大切さはここでも。
一節だけ紹介します。
何かを解決しようと思ったら、感情的に「悩む」のではなくて、ロジカルに「考える」必要があると僕は思ってる。
取り組み方、考え方の何が足りないのか、何が間違っているのか。
自分の頭で考えて、自分の言葉で説明することで、見えてくるものがより鮮明になる。
自ら導き出した「法則」や「方程式」のようなものが増えていけば、スランプに陥り立ち止まってしまった時でも、それを解決するための引き出しも多くなっていく。
先月も『考える』ことについての本を何冊か読みましたが、ここでも登場。
こういったことを重ねてきたからこその現在の立ち位置なのか…と妙に納得。
聞き手である尾崎 世界観さんのコメントも絶妙です。
【2】スピノザの診察室 / 夏川 草介
京都の町病院で働く消化器内科医の物語です。
もともとは大学病院で働いていた凄腕の医師という設定ですが
患者とのやりとり、同じ病院で働く医師たちとの会話・・・
そのひとつひとつが私たちの心に訴えかけてくる、そんな話です。
医療の力なんて、本当にわずかなものだと思っている。人間はどうしようもなく儚い生き物で、世界はどこまでも無慈悲で冷酷だ。
けれども、だからといって、無力感にとらわれてもいけない。
技術を持つ人の言葉の説得力ってすごいですよね。
この考え方のもとにはスピノザの哲学があるのでしょうか?
そこだけが疑問点としてのこりましたが、
京都の町の情景や和菓子の描写と相まって、とても良い後味の小説でした。
【3】夜と霧 新版 / ヴィクトール・E・フランクル
精神科医である著者によるナチスドイツ支配下の収容所内での体験談と
心理学的側面からの考察が書かれている書籍です。
前月に読んだ書籍に、この本についての記載があったため
気になって手に取りました。
前半は目を背けたくなるような体験談、後半は考察
想像に難くないですが、収容所内での体験談を読むのはなかなか辛いです。
しかし後半の被収容者の心理に関する考察は読みごたえがあります。
私が特に驚いたのはこちらの記載。
現実をまるごと無価値なものに貶めることは、被収容者の暫定的なありようにはしっくりくるとはいえ、ついには節操を失い、堕落することにつながった。なにしろ「目的なんてない」からだ。
このような人間は、過酷きわまる外的条件が人間の内的成長をうながすことがあるということを忘れている。収容所生活の外的困難を内面にとっての試練とする代わりに、目下の自分のありようを真摯に受けとめず、これは非本来的ななにかなのだと高をくくり、こういうことの前では過去の生活にしがみついて心を閉ざしていたほうが得策だと考えるのだ。
このような人間に成長は望めない。
・・・『収容所の生活』が『成長』につながるという概念に
私はただただ驚くことしかできませんでした。
こちらの本でも登場するスピノザ
『スピノザの診察室』を読んだ直後だったので、
こちらの本でもスピノザが登場するくだりがあり驚きました。
スピノザは『エチカ』のなかでこう言っていなかっただろうか。
「苦悩という情動は、それについて明晰判明に表象したとたん、苦悩であることをやめる。」
表現こそ違えど、最近これと似たような内容が書いてある本をよく読むので、
そのルーツはここにあるのかな・・・と思ったりしました。
いろいろ繋がるのも読書の楽しみの一つです。
【4】成瀬は信じた道をいく / 宮島 未奈
前作『成瀬は天下を取りにいく』の続編です。
もうこれは、語彙力がないですがただただ面白いです。
筋が通り過ぎた主人公『成瀬』の言動に対しての
まわりの人々のツッコミに何度も笑ってしまいました。
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あっという間に読み終わってしまって、とても寂しいです。
本の世界に没頭したいときにもおすすめです。
【5】神様と暮らす12ヶ月 / 桃虚
この本は、インド生まれの神職である私が、日本の季節のものごと、行事、習俗やしきたりの中から
神様とのつながりを感じやすいもの
雅だなあと思ったもの
幸福度の高いもの
運気を好転させやすくするもの
を選んで、12ヶ月の『開運行動』としてまとめたものです。
ということで、各月の開運行動がまとめられているのが本書です。
開運行動のもととなるエピソードが
古事記・日本書紀などの神話をもとにしているのも面白いところです。
思わず『へえ~!』という声がでるようなお話もありました。
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読み終わった翌日に神社へ足を運んでみました。
もともと神社の鳥居をくぐるときにはお辞儀をしないと気が済まない私ですが
開運行動を参考に季節を感じ、楽しみたいと前向きに思える一冊です。
【6】ロンドンの片隅で、この世界のモヤモヤに日々クエスチョンしているよ。 / クラーク志織
本当に出会えてよかったと思える本でした。
冒頭からフェミニズムなどのちょっととっつきにくいワードが登場するので
最後まで読めるかなと不安になったりもしたのですが、
気づけば一気に読了でした。
多様性、差別などについて考えるきっかけに
BBCのラジオ番組でも同様のテーマが取り上げられていました。
そこでは、「異なる人種間の子どもと積極的に遊ばせるように、親が意識するべきか?」「子どもにとっての良いお手本になるように、親自身の交友関係も、人種やバックグラウンドが偏っていないか見直すべきか?」という議論が繰り広げられていました。
ちょっと親が介入しすぎでは?とも思いますが、
イギリスでは12歳までは親が子どもの送り迎えをする関係上
どうしても子どもの人間関係は親から受ける影響が大きくなるとのこと。
もちろんそれぞれが気の合う相手と付き合えばいいのだけど、けれど、ちょっと勇気を出して普段あまり遊ばない人に声をかけたら、意外にとても仲良しになれるかもしれない?
「多様性、多様性となんだかうるさい」と言う前に、新しい世界に触れることは自分も世界ももっとカラフルでジョイフルな毎日になるかも?という可能性のほうにワクワクしてみたいなと思ったりします。
私自身、「多様性、多様性となんだかうるさい」と思ってしまうタイプの人間です。
というより多様性ってとても難しい問題のように捉えていたのですが
『新しい世界に触れる』という解釈のおかげで身近に感じられるようになりました。
私が住んでいる地域は、多様なバックグラウンドの人がいる環境ではないため
子どもにどのように学ばせるかを悩み中です。
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他にも差別や気候変動など、一見とっつきにくい話題について
考えるきっかけをくれる本です。
ベビーカーを助ける問題
ロンドンでは地下鉄にエレベーターが設置されていない場合、
ベビーカーを階段で昇り降りさせる必要があるわけですが
すーっと人が集まってきて助けてくれるのだとか。
また、バスでは酔っ払いですら席を譲ってくれるなど
『助ける』が当たり前になっているとのこと。
たとえば期間限定じゃなく、日常的に車椅子で移動をしなくてはいけない人の場合はどうだろう。どこにお出かけをするにもずっと「ありがとう」と低姿勢でお礼をしなくてはいけないとしたら、それって大変だよね。
誰かの手を借りないと移動できないのはその人のせいではなく、バリアフリーに街を設計していない社会に問題があるはずなのに。
だから私は、助けるという行為にそこまで「親切」「優しさ」に重きを置かないロンドン民の姿勢が好きだなと思いました。
ちょうどこれを読んだ翌日に、ベビーカーで歩いていたところ
エレベーターに乗る際に嫌な思いをすることがありました。
Xでもよくエレベーター×ベビーカー論争が繰り広げられていますが
『ベビーカーに譲っても感謝の意が見られないから気分が悪い』といった
ツイートをよく見かけます。
そのたびになんともいえない息苦しさを感じていたのですが、
その理由を言語化してもらえた気分でとてもすっきりしました。
問題が起きたことに対する対応
著者が子どものスポーツクラブの近くでアジアンヘイトに遭遇するくだりがあります。
著者がクラブにメールするのですが、その返信の内容がとても印象的です。
日本で同様の事態が発生したときに同じように対応できる人はいるのだろうか…
はたまた自分だったらどのような対応になるだろうか…
様々な問題を自分事に置き換えて考えられるのもこの本の良いところです。
【7】スタンフォード・オンラインハイスクール校長が教える 子どもの「考える力を伸ばす」教科書 / 星 友啓
現代社会において、これまでの考え方や価値観は目まぐるしくアップデートされ続け、既にあるルールの中だけでこなせる仕事はどんどんテクノロジーに置き換わっています。それゆえ今の子どもたちは、これまでのやり方や世界観に適応するだけでは、世知辛い未来を生き抜くことができません。
ということで、また不安を煽るところから始まる本書籍ですが、
世界が求めるスキルの基礎となる『考える力』の伸ばし方について説明されています。
最新の脳科学に基づいて解説されているのがポイントです。
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かなりの情報量があるので、実は最後のほうは咀嚼しきれてないです。
『考える力』とは・・・
読んでいて思ったのは、『考える力』というのは
会社の人事が社員に求めるコンピテンシーの一つに近いなということです。
(私が所属したことのある組織に限っての話かもしれませんが…)
ということで、書籍に記載されているメソッドを自分が行うことで
自分自身の成長にもつながるなと感じました。
各章のおわりのコラムもおもしろい
各章の最後にはコラムがあり、
「スマホやゲームはやめさせるべき?」「子どものSNSはチェックする?」といった
日常の疑問にも脳科学の観点から回答してくれているのも面白いですよ。
【8】ミドルノート / 朝比奈 あすか
ある食品会社に勤める同期女性4名の小説です。
結婚して子どもが2人いて管理職で…と多忙な一日を贈っていたり、
夫のモラハラに遭っていたり、
一時は婚活をするも一人で生きていくことを決意していたり、
はたまた婚約中だったり…
と、四者四様ではあるものの
全員の悩みが手に取るようにわかるのでスイスイと読み進められました。
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特にモラハラがリアルで、私までドキドキしました。。
女性たちの年代が私と近そうなのもあって共感度が高かった一冊です。
悩みは尽きないけれど、前向きになろうと素直に思えました。
一つ不満を言えば、4名のうちの1名(税理士を目指している彼女)の決断は
それでいいのー?と思ったりもしました。
【9】ケーキ食べてジム行って映画観れば元気になれるって思ってた / メンタルドクターSidow
世にあふれる様々なストレス解消法を試しても
余計に悪化させてしまう…
そんな方のために正しいストレス解消法を伝えてくれるのが本書です。
うまくストレスと付き合うために大切になる以下2点、
- できる限りストレスを溜めない
- 適切にストレスを解消する
…について、世の中でよく聞くストレス解消法よりもこうしたほうが良いよ、という
内容を解説してくれています。
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ストレス解消法は分かりやすかったですが、
ストレスを溜めない方法についてはちょっと物足りなかった…
というのが正直な感想です。
【10】フィンランドの高校生が学んでいる人生を変える教養 / 岩竹美加子
残念ながら読破することができませんでした…。
フィンランドの教育は最高!!
だけど、日本の教育はダメ!!
という論調が冒頭から強すぎて、ちょっと疲れてしまいました。
タイトルに記載されている『フィンランドの高校生が学んでいる教養』が何なのか、
分からないままギブアップです。。
まとめ
2025年2月に読んだ10冊について紹介しました。
本を多く読むと、『考える』ことの大切さについて触れられているものが多いなと気付かされます。
そして小説は頭の中にモヤモヤがあるときに読むとスッキリしますね。
今月もたくさんの本に出合えてよかったです。
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